夢の朝
ひだかたけし

欲望が溢れ出る
果実を丸ごと搾るように
広がる原野、聳える岩峰
足元は見えない
失われた足跡
粉々に散らばる
声の断片

不機嫌な実存が夢見る夕べ
終わりから逆算される日々が
冷え冷えと覚醒していく

(僕たちは滝を見にきた
たまには気楽にして
嫌なことは忘れて
大地にナイフを突き刺して)

響き木霊する声は五線譜から溢れ出し
乱舞する欲望にとどめをさす
フリーズした画面から
微かに陽光が射して
荘厳な夢の朝がやって来る

広がる原野、聳える岩峰
足元は見えない
失われた足跡
粉々に散らばる
声の断片












自由詩 夢の朝 Copyright ひだかたけし 2022-01-23 20:42:38
notebook Home 戻る