夢の朝
ひだかたけし
欲望が溢れ出る
果実を丸ごと搾るように
広がる原野、聳える岩峰
足元は見えない
失われた足跡
粉々に散らばる
声の断片
不機嫌な実存が夢見る夕べ
終わりから逆算される日々が
冷え冷えと覚醒していく
(僕たちは滝を見にきた
たまには気楽にして
嫌なことは忘れて
大地にナイフを突き刺して)
響き木霊する声は五線譜から溢れ出し
乱舞する欲望にとどめをさす
フリーズした画面から
微かに陽光が射して
荘厳な夢の朝がやって来る
広がる原野、聳える岩峰
足元は見えない
失われた足跡
粉々に散らばる
声の断片