復讐の始まり(五)
朧月夜
ミーガンテ・アリア・ガルデが、なぜエインスベルの母を殺さなかったのか、
その理由は定かではない。しかし、推測によれば、
禅定によって王母の位を譲渡された、
という弁明が必要だったのかもしれない。
ミーガンテ・アリア・ガルデは、ファシブルの国を、
かつてのアルスガルデのようにしたかったのかもしれない。
ファシブルの国は、急激に右傾化していった。
それは、エインスベルの母、マリアノスの望まないことであった。
クールラントには今、ラゴス、レ・スペラス、アースランテという、
三つの敵国が存在した。そのどれもが、強力な国家であった。
ラゴスとの関係は、アイソニアの騎士たちとの武闘によって、
一応の和平が保たれていた。しかし、
レ・スペラスとアースランテとは話が別である。
そこにファシブルの国が加わる。これは、一大問題だったのである。
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クールラントの詩