復讐の始まり(二)
おぼろん

姉妹のなかで、エインスベルだけは、ファシの街に奴隷として売られた。
ミーガンテ・アリア・ガルデは彼女を許したわけではない。
まだ幼い彼女を奴隷にしてしまえば、
その刃は彼女には向かないであろうと考えていたのだ。

しかし、高名な魔導士オスファハンがエインスベルを見出した。
エインスベルは召使としてオスファハンに保護された後、
魔導士として、彼に弟子入りを果たした。
これは、ミーガンテにも予測できないことだったろう。

魔導士エインスベルは、師をも上回る魔法を手にした。
復讐の時は刻々と迫っていたのである。
アイソニアの騎士は、オスファハンからそのことを知らされた。

「エインスベルよ、復讐をして何になる。現在の幸福で良いではないか?」
アイソニアの騎士はエインスベルに言った。しかし、
エインスベルは答えた、「本当に力のある者が、国を治めなければならないのだ」と。


自由詩 復讐の始まり(二) Copyright おぼろん 2022-01-19 00:33:59
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