復讐の始まり(一)
おぼろん

そのころエインスベルは、復讐の準備を始めていた。
これは、歴史書にも記されていないことだが、
エインスベルはファシブルの国の元第三皇女だったのである。
ファシブルの国は女系の国家である。

その国で内乱が勃発した。
エインスベルの叔母、ミーガンテ・アリア・ガルデは、
エインスベルの二人の姉を殺し、その母を幽閉したのである。
ファシブルの国の実権は、ミーガンテが把握した。

エインスベルは、まずオークたちの傭兵を集めることから始めた。
出来るだけ少人数で良い。その余りは魔法で補えば良い。
エインスベルは様々な魔道具も買い求めた。

そんなエインスベルを、アイソニアの騎士は懐疑的な目で見つめていた。
「エインスベルよ、何を企んでいるのか?」
「何も」エインスベルは平然と答えた。


自由詩 復讐の始まり(一) Copyright おぼろん 2022-01-19 00:33:18
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩