走り続ける
坂本瞳子

果てしがないように思われる
このトンネルを抜けることができるのだろうか
どこまでも続く暗闇が尽きるところがあるのだろうか
仄暗い誘導灯が足元を照らすけれど
明るい陽の光は差し込んでさえこない
そんな中をただ走り続ける
なぜ裸足でいるなのかなんて
どうして走っているのかなんて
そんなことはもうどうでもいいのだけれど
ただひたすらに走り続けなければならなくて
光が欲しいんだったろうか
向かい風の冷たさが心地よくて
息をするのは苦しいけれど切れてはなくて
心臓は一定の速度で鼓動しているのが分かる
血管を流れる液体が感じられるくらい
この温かみで恐怖感が拭われる
だからいいんだこのままで
まだまだずっと走っていたい


自由詩 走り続ける Copyright 坂本瞳子 2022-01-17 20:49:49
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