宿敵(四)
おぼろん

三度目の対戦は、カラスガラの西にあるネクソスの街で行われた。
もう、フランキス・ユーランディアは一対一の対決にはこだわっていなかった。
ネクソスの街には比較的大きな魔法石がある。
フランキスは魔術を用いてでも、アイソニアの騎士を倒そうとしたのである。

アイソニアの騎士は、オークの傭兵を六名連れていた。
一方、フランキスは三十余名の配下を従えていた。
多対多。これは一つの小さな戦争だった。
アイソニアの騎士をどうしても葬らねばならない。フランキスは闘志に燃えていた。

戦端はフランキスのほうから切って落とされた。
まずは、「ザルデ・バウ・ガデ」の魔法を使った。
これは、氷の矢を放つとともに、小さな結界を作り出す魔法である。

その攻撃によって、オークの一人が倒された。
アイソニアの騎士は歯噛みする。勝敗などどうでも良い、
仲間の命が大事なのである。アイソニアの騎士は怒りに我を忘れた。


自由詩 宿敵(四) Copyright おぼろん 2022-01-13 16:54:59
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クールラントの詩