水筒の風景
番田 

昔僕は見ていたのだ
遠くの校門の風景を
そこを通って立ち去った日の景色を
歩いていた 確かに 僕は
緑の絵を描いていた日も 


ロータリーの駅前の寂れた空で
目立っていたのは パチンコ屋
グーグルで表示した時には もう
あの頃のCDショップの賑わいは無く
西日の差したホテルの影も無くなっていた


電車に乗って 僕は
まだ舗装されたばかりの駅から 帰った
もうすぐ卒業だというのに
このホームを踏まずに帰るのはもったいないと
いつもの電車の窓から 青い田んぼを見つめていた



自由詩 水筒の風景 Copyright 番田  2022-01-13 00:36:24
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