宿敵(二)
おぼろん

フランキス・ユーランディアはアイソニアの騎士に決闘を申し込んだ。
これが二度目の対決である。
実は、歴史的に見ればフランキスのほうが善なる者であったのである。
その証拠に、様々な文献には、

アイソニアの騎士の本名が載っていないことからも、それが分かる。
アイソニアの騎士への挑戦状は、配下であるククリー・ハルザガルに託した。
アイソニアの騎士はエインスベルとともにカーガリンデに住んでいたからである。
アイソニアの騎士は、しぶしぶながらもフランキスの挑戦に応じた。

戦いの場は、ナルムの洞窟であった。
魔法素子の薄いこの地なら、互いの剣戟だけで勝負が出来ると思ったからである。
事実、この戦いでアイソニアの騎士は魔術を使うことができなかった。

それは、フランキス・ユーランディアにしても同じである。
二人の剣は、何十回にも渡って打ち合わされた。そしてついに、
フランキスは、ナルムの洞窟の底へと落下していった。






自由詩 宿敵(二) Copyright おぼろん 2022-01-12 16:11:19
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クールラントの詩