エランドルとゴルドウィン(二)
おぼろん

ゴルドウィン・アルゴの謀略が過激化するとともに、
エランドル・エゴリスは一つの塔に閉じこもった。
その塔がどこにあるのか、今も判然としない。
アースランテやファシブルよりも南、赤道に間近いということしか、

分かってはいない。
エランドルは一つの過ちを犯したのだ。一人の女性を失ってしまった。
彼女はウィザムではなかった。その当時、ウィザムはウィザムだけを娶ることを、
義務付けられていた。つまり、それは禁断の恋だったのだ。

エランドルはその生涯を通して、彼女を甦らせようとした。
ゴルドウィンはエランドルの才覚に敬意を表していたが、
エランドルの執着に関しては、批判的な立場に立っていた。

死したる者を蘇らせようとする、その行為こそが、
ヨースアルナの怒りを招き寄せたのかもしれない。
あるいは、デーモンたちに付け入る隙を与えてしまったのかもしれない。


自由詩 エランドルとゴルドウィン(二) Copyright おぼろん 2022-01-11 12:35:31
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クールラントの詩