Drive falcon
TAT
彼は
推測する
私たちの
国が
かつて大きな国で
貧しい
とても
今は
だが
私たちの国の国民たちは
やがて
勝利するだろう
経済的に
と
私は信じている
それを
私も
ここはシンプルな地獄だった
リーマンショック以降の
二~三年の間あるいは
最初の世界大戦の後の
数年の間
僕は
伝えたい
彼に
何かに押し潰されそうな時
悲鳴を上げてしまいそうな時
何もかも放り出して逃げてしまいたい時
人は
本当は
何かに押し潰されても
ありったけの大声で悲鳴を上げても
何もかも放り出してすぐに
逃げ出しても別に
一向に構わないし
そんな事を気に病んだり
恥じたりする必要は
全く微塵も無いという事を
なぜなら
道徳や倫理や
宗教的な信念や
法律や
とかは
ほんの
昨日おとつい
出来た物で
しょせん人間も
大地に爪を立てて生きる
動物の中の一種でしかないからだ
僕は彼にそれを
伝えたい同時に
技能実習制度の問題点について
京都の庭園の意味について
ラーメンの塩とんこつ味噌しょうゆの
味の違いや
地域性について
スリランカの生活について
美味しいビリヤニの作り方や
定義について
もっと
語り合いたいと芯から思うが
どうにもこうにも
言葉の壁に阻まれて
君とおざなりな表面的な会話しか
行い得ない事を
とても寂しく思っていた
日本では
結婚には打算的な側面もあって
僕は
「なぜあなたは結婚しないの?」
と聞かれるたびに
「結婚して本当に幸せで良かったと十年後も数十年後もずっと思い続けている人が居ないように見えるからですよ。ほとんどの人が気の利かない伴侶や言う事を聞かない子供について嘆いたり、経済的な牢獄の中で終身刑の宣告を受けて喘いでいるように見えるからです。違います?あなた、どうです?」
と答えて
やり込めるようにしてきたんだけれど
僕は人生で
初めて会ったんだ
本当に
炎のような目で
結婚はいいものだ
愛のある生活は素晴らしいものだ
妻は良い
子供は良い
君もそうするべきだと
まっすぐ熱弁して
推してくる人に
また
あれはいつだったか
僕らが働いていた工場の
隣にあった大きな川に
季節の変わり目にふと
大挙して飛んでくる
渡り鳥たちを見て
「実に美味そうだ」
「なぜあの丸々と太った鳥達を片っ端から捕まえて食べないのか?」と
真剣に聞いてきた
君の顔を
そういった一部始終を
今も懐かしく僕は思い出している
アッサラームアレイクム
ワレイコムサラーム