チヨコレート
坂本瞳子

間食なんてほとんどしないのに
今夜は無性にチョコレートが食べたい
なにがあったわけでもないのに
ただただ板チョコを貪りたい
こんな気持ちなったのは初めてで
どうしたらいいのかも分からないほど
無性にチョコが食べたくてしょうがない
そしてコンビニへ出かけて
板チョコを数枚買ってくる
一枚では足りないかもしれないから
複数枚左手でつかめるだけを買ってきた
そして一枚目の包み紙を剥ぎ取って
かぶりつく茶色い板は甘く噛みごたえよく
貪ることにも満足を覚える
そしてやはりペロリと平らげた一枚では事足りず
二枚目三枚目と手が伸びる
ガリガリと噛み砕いて胃の中へ送る
心が満たされていくのと同時に
頭に血が上り頬が紅潮するのが自分でも分かる
四枚目五枚目とまだまだいける
夜の闇が深まるにつれて
チョコレートへの欲望も増幅する様相で
尽きることのないこの欲望は
一体どこからやってきたのかと
不思議に思いさえするけれど
案ずることなかれ
夜明けはまだ遠いから


自由詩 チヨコレート Copyright 坂本瞳子 2022-01-06 22:26:27
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