生臭い初夢
まいこプラズマ

白い
大理石のフロアタイルを
敷き詰めたキッチンに

見たことも無い
巨大なサンマの開きが

横たわっている

旬は過ぎているけど
気にしないで

夢だから

頭だけでも軽自動車ほどの大きさで
尾鰭はキッチンに収まらず
隣のリビングを横切り
出窓に飾られた
花瓶や
デジタルフォトフレームを薙ぎ倒し
窓を突きやぶっている

軽自動車が入るキッチンが有る家って
どんな豪邸なんだろう
って
気にしないで

夢だから

それより
私は使命感に取り憑かれていた

このままでは両面焼きグリルに
入らないから

「何とかしなくちゃ。」と

おもむろに
クジラ包丁を振りかざす私

解体された巨大サンマの開きは

頭の方を底辺に
尾鰭の方を頂点に
ピラミッド形に積み上げられた

息も絶え絶え
腰を労わりつつ
その場にへたり込むと
哀れな
サンマと目が合いました

えぐり出したら
バランスボールくらいある黒目と

飲み込まれそうで
嘔吐しそうで
眩暈に揺れている
私を
映している黒目と

何の暗示かな?
今年は
何が良いこと有るのかなぁ

とか

悲鳴をあげても
夢なのに
只々
リアルに生臭かったりして悩みます






自由詩 生臭い初夢 Copyright まいこプラズマ 2022-01-02 22:07:39
notebook Home