祭司クーラス(三)
おぼろん

祭司クーラスは、アイソニアの騎士たちにとっては、影のような存在になった。
いつもどこかで、その目が彼らを見据えていた。
国王の加護があるとはいえ、祭司クーラスは不安だった。
アイソニアの騎士は、果たして自分たちの味方なのか、敵なのか。

いったいなぜ彼らが戦っているのか、
祭司クーラスには判然としなかった。
妖精ファロンですら、彼らの思惑を見抜けなかった。
祭司クーラスは、妖精ファロンをその密偵として使っていたのである。

祭司クーラスは、時としてアイソニアの騎士たちの敵として現れた。
戦いのさなかに、彼らの戦ぶりを妨害するようなこともあった。
しかし、祭司クーラスは国を守るためにも戦った。

アイソニアの騎士たちにとっては、祭司クーラスこそが、
謎の存在だったのである、敵か味方かが判然としなかった。
祭司クーラスは、彼自身が呪われた存在だったと言っても良いだろう。


自由詩 祭司クーラス(三) Copyright おぼろん 2021-12-26 06:12:16
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クールラントの詩