浄夜
soft_machine

そこは誰もいない屋上遊園
雪が一面にふり積もっていた
たくさんのものが丸められ
つめたくひかって

おおいかくされた心音が
ふたつの距離をおしはかる
けっして届かないとわかるまで
降りつづく暗やみ

雪のにおいがすき
町のよごれをすいとっているから
ひとつ色をえらぶ
自分でひかる青がいい

そこは誰もいない浄夜
わたしはいったい何色だろうと思う
月だってまわる訳を知っている
離れていく先を知っている



自由詩 浄夜 Copyright soft_machine 2021-12-25 17:21:03
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