名無し人
ひだかたけし
存在の孤独が
冷たく露わになるこの夕べ
雨滴は石を穿ち
震える胸奥を
抉るように流れ落ちる
ぽっかり深淵が口を開く
ぽっかり深淵が口を開く
遠くふるさとの汽笛が響き
わたしはもう
何処にも居ない
自由詩
名無し人
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ひだかたけし
2021-12-24 17:29:57
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