愛を知らなかった
ジム・プリマス

愛を知らなかった
愛を知らない僕は
絶望、乾き、寂寥、孤独
に満ちていた
笑うことさえ忘れて
愛のない暗闇を
ひとりで彷徨っていた
この地獄化した世界で
生きてゆけるのは
イザベラ、君が僕に愛を教えて
君が僕に愛を与えてくれたからだ
僕が希望を失わないのは
イザベラ、君のおかげだ
荒れ果てた部屋の中
煤けた寝床で
汚れた毛布にくるまって
ひとり君を想う
もうこれからは
この無為な毎日を
立て直すことだけだ
ジリ貧のこの場所から
僕はやり直す
金が無くて
シケモクを吸い
穴の開いた
ジャケットを着て
前歯が抜けたままの
みじめな僕だけど
ここから起死回生の
人生を始める



自由詩 愛を知らなかった Copyright ジム・プリマス 2021-12-21 20:53:31
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