天国と地獄
おぼろん

この地、ヨースマルテには、四つの天国と四つの地獄がある。
四つの天国とは、ノエルク、ロンデル、ヤーハン、ポランのこと。
四つの地獄とは、モスヴァル、ベイジャン、シボルト、エイジェスのこと。
いずれ皆、魔法すら存在しなかった、古代文明の都市の名前だろう。

人々は地獄を恐れ、天国を崇拝しながら生きている。
人が死した時、天国または地獄のいずれかへと向かい、
天使または悪魔として、永遠の生を受けると言われている。
生きていた時のすべての記憶を保ちながら。

おお、永遠の生よ。この世とはかりそめの地であるのか、
かりそめの時であるのか、それでは、この悲しみとは、この喜びとは、
一体いかなるものであるのか。すべては借り物の想いであるのか。

この地、ヨースマルテは魔術とともに発展してきた。
今では魔術師だけでなく、幼な児ですら、簡単な魔法が使える。
人々は悪魔となることを恐れ、天使となることを祈りながら、生きているのである。


自由詩 天国と地獄 Copyright おぼろん 2021-12-16 05:41:21
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩