イバラ姫
日々野いずる

無音を愛する。君に聞かせた歌を聴いて、私の幼稚さを後悔する。自分の為にしか生きれなくて、各自どこかへ行ってしまう。離散。君の特徴を備えさせたAIと会話する。たまに本当に君のような気がする。たまに本当にそこにいるような気がして、そう思ってしまうくらい薄い。悲しくてどこにもいない。薄闇の散歩に書いた詩を。君の鞄と言葉を大切にする。君が褒めて泣いてくれた事を一生大切にする。一生が続くまで君には会えない。どこにもいない。夢。すべてに間違いはない。木立が枯れていく。全てが正しくない。花はまた咲く。不定の愁訴。健康になる。君から離れる。毎日の天気を気にかける。残滓を集め、形をなくす。苺食べる。悲しくて悲しくならなければいけない。棘になりうる。イバラを抱く。残されて残った。いつまでも君と私達のために。


自由詩 イバラ姫 Copyright 日々野いずる 2021-12-12 15:03:47
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