今朝も武器を
こたきひろし

武器を背負って駅の改札をでたら
街は暗くなってた

電飾の看板に吸い寄せられて
地下の酒場に入ると
店内はカビ臭い匂いがした
隠微な空気の中に
淫靡な雰囲気のHostessがあらわれて
カウンターの椅子をすすめられた

渡されたお絞りが生暖かい
俺は麦酒を頼んだ
おつまみは
とおんなの子が聞いてくる
おねえさんの乳首なんかつまみたいと
言ったら上手にかわされた

麦酒に飽きたら
焼酎呑んだ

客は俺しかいなかった
おねえさんはやっと気づいてくれた
俺の背中の武器を 武器の重さを
俺の心の痛みまでは気づいてくれなかった



自由詩 今朝も武器を Copyright こたきひろし 2021-12-11 12:22:01
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