一年の終わりにひとり語り
文字綴り屋 ひじり

進めば進むほど
湧き出てくる不安
足元をすくわれないように
注意深く歩く
でもそのうち
絶え間なく続く疲れで
散漫になっていく

躓き
よろめき
転びそうになる

軽いすり傷なら
唾つけて
毒舌吐いて
傷口なめとけば
何とかなるけど
いつの間にか
唇が乾き
喉もひっついて
荒い呼吸だけが
自分の頭に響いていく

誰かが名前をつけた不安と
自分だけが知る不安

誰かが出した答えと
自分だけが導き出せない答え

誰かと似ているようで似ていない予想図
誰かと似ているようで似ていない方程式
誰かが知っている明日への抜け道
誰かが知っている今日の抜け出し方

私だけが知っているこの道は
どこまで続くのだろうか
私だけが見えているこの道は
どこまで行けば誰かと出会えるのか
私が歩いているこの道は
どこからどこまでが
私らしいと思えるのだろうか



自由詩 一年の終わりにひとり語り Copyright 文字綴り屋 ひじり 2021-12-11 00:10:51
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