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イメージの蕾の中にわたしはいた
わたしはわたしの真実をゆっくりと展開させていった
孔雀の眼差しを持つ蝶があなたの目蓋から飛び去った
わたしはなおもあなたのイメージの中にいたことだろう
あなたがあなたに施した魔術が冬の空気に薄められてゆく朝
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朝の光が溢れかえり
瞳はふたつの金の鈴
孕む音色を秘めたまま
燃える世界に溺れてゆく
車でどこまで走っても
息がわたしに付きまとう
わたしを鞴のように犯して
息はわたしを従属させる
風と鳥とに射貫かれて
悲哀の絃を震わせる
あばらを広げた鉄塔よ
蜃気楼の鏡にただ茫然と
しかし今やおまえは人
肉と情の血だるまに
針先ほどの一点の
ブラックホールは未だにあるか
*
風に跳ねる馬 血の滴る画用紙
わたしのマグマを弄ぶあなたの指先がなぜ焼かれないのか
固いものをつかもうとして溺れる手の行きつくところ
回帰する問の満ち欠けに塞がれた唇を柔らかくねじ開けるもの
《2021年12月5日》