news caster smile
ツチヤタカユキ

透明人間の腐る音がした。
ベティ・ブルーの、えぐりとった眼球が、
巨大化して生まれた新しい惑星。
句読点を、心臓に付けられたような恋。

2000年ぶりに復活した、
アダムとイブが、
素っ裸のままデートする、
渋谷スクランブル交差点。
大統領暗殺計画の首謀者は、
世界一IQの高いエリマキトカゲ。

両乳がチェーンソーになった彼女とハグして、
胴体貫かれて死んでった、
彼の亡霊を、中に閉じ込めてるおにぎりは、
神様の眼球を、ナメた時の味。
ため息と一緒に抜けた魂は、
君の心臓の外側を、
餃子の皮のように包み込んだ。

未来から来た人は、血液に微炭酸が混ざってる。
海に触れた瞬間、
サイコメトリー能力が発動。
脳裏に広がる、
地球がまだ出来たばかりの映像。


電話ボックスから、
一生出られない呪いのせいで、
永遠に立ったまま頼む、Uber Eats。
「奇遇ね、私、
点字ブロックの上から永久に出れないの」

人生のエンドロールは、君の名前で溢れてんだ。


シンデレラの魔法がとける寸前、
PM11時59分59秒で、時を止める。
ニュースキャスターが無言のまま浮かべた笑顔。
今日は何の事件も、起こらなかった一日。


自由詩 news caster smile Copyright ツチヤタカユキ 2021-12-05 05:33:35
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