裁断という仕事
asagohan

裁断された
光チューブの切り口が
ブラインドから
漏れた光をかき集めて
輝く。

僕らを見ているように。

作業台の向こうで
男達が今後の休職者の扱いについて話している
滞りなく
罪悪なく
みんなで仕方ないねと示し合わせて
彼の背中を押す方法を
考えている。

押された側どこに行くのだろう。

チューブの先端をまた切った。
45cmに満たないものは
廃棄する
廃棄する
廃棄する…

裁断機の刃には
少なくとも今は仕事が与えられている。
沢山の切り屑が
作業台から
零れ落ちていっても。


自由詩 裁断という仕事 Copyright asagohan 2021-12-02 22:10:35
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