Come Giorgio Morandi
TAT










モランディのように


一生




静物画を描いて生きてゆきたい






三人の妹に世話をされながら

















それって猫としては一等上等な生き方だ




「もしも俺が猫ならば」という注釈を挟まねば成立しない生き方だとしても一等上等だ







くれぐれも言っておくが




三姉妹のパパじゃあないぜ?







そんな安物とは違う









三姉妹の兄は



三姉妹の死闘の只中で





たった一枚の





上等な銀の折り紙のように




ひらひらと




決して誰かひとりに捕まらずに








常に指の間を


すり抜け続けなきゃならない


















慇懃に

鮮やかに

実に幼稚に




























本当に賢い馬鹿には

決して務まらないし





本当に優しいエゴイストには

決して務まらない






















生涯を通じて
ボローニャの
半径数キロメートルの
円の中から出ない生き方だったとしても

そんな事がなんの意味があろう







俺は



ジョルジョ・モランディの棚の中の



ほうろう引きの




口の狭い四角い瓶になりたい



























自由詩 Come Giorgio Morandi Copyright TAT 2021-11-29 08:58:35
notebook Home