施錠された雨へたどりつくまでの足取り 輝ける虚空の大理石に屈服してしまうわたしの 一歩を待つ夜を繋いだ 白熱灯が光る死角を擦れ 吸った湿気る一悶着に 手を打ち鳴らせば砂塵の 舐めるは赤茶の風の眼 浸す午前二時の肩口より 追いつけない速度で山が九月をのぼりつづけた