津煙保存


施錠された雨へたどりつくまでの足取り

輝ける虚空の大理石に屈服してしまうわたしの

 一歩を待つ夜を繋いだ

白熱灯が光る死角を擦れ
吸った湿気る一悶着に

手を打ち鳴らせば砂塵の
舐めるは赤茶の風の眼
浸す午前二時の肩口より


  追いつけない速度で山が九月をのぼりつづけた






自由詩Copyright 津煙保存 2021-11-25 17:30:59
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