友達の部屋
ジム・プリマス
ふと、自殺してしまった友達の家に
遊びにいった時のことを思い出した
近くのゲートボール場に車を停めて
そこからから続く路地を歩いたことや
その友達の二階の部屋の隅で
小さく丸まって寝ていたら
その友達が毛布をかけてくれたことを
その温かさを懐かしく思い出した
大きな河口の畔にあるその家に
遊びに行くことはもうない
あの部屋は僕にとって
数少ない心から落ち着ける
素敵な場所だった
隣町にあるホームセンターで
バイトしていた頃
よくバイトをさぼって
その友達の部屋に
居眠りをしにいったものだ
秋の日、ひとり、煤けた部屋で
彼のことを思い出す
彼は「動物のお医者さん」の
ハムテルによく似たイケメンだった
今、思うと彼の優しさには
どことなく危さがあった
生きていて欲しかった
ずっと友達でいたかった
ひとり、彼の冥福を祈る