友達の部屋
ジム・プリマス

ふと、自殺してしまった友達の家に
遊びにいった時のことを思い出した
近くのゲートボール場に車を停めて
そこからから続く路地を歩いたことや
その友達の二階の部屋の隅で
小さく丸まって寝ていたら
その友達が毛布をかけてくれたことを
その温かさを懐かしく思い出した
大きな河口の畔にあるその家に
遊びに行くことはもうない
あの部屋は僕にとって
数少ない心から落ち着ける
素敵な場所だった
隣町にあるホームセンターで
バイトしていた頃
よくバイトをさぼって
その友達の部屋に
居眠りをしにいったものだ
秋の日、ひとり、煤けた部屋で
彼のことを思い出す
彼は「動物のお医者さん」の
ハムテルによく似たイケメンだった
今、思うと彼の優しさには
どことなく危さがあった
生きていて欲しかった
ずっと友達でいたかった
ひとり、彼の冥福を祈る


自由詩 友達の部屋 Copyright ジム・プリマス 2021-11-15 11:49:41
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