asagohan



背中を掻くための
指を
探している野良猫。

部屋で
キーボードを打つよりは
ぬくんでる
私の手。



天国にも
地獄にも
振れている指先。

どちらにも転がる
男の目は
充血して
まだ現世を見つめてる。



冷たい部屋に
迷い込んだ
天道虫は黄色。

通せんぼした
指のてっぺんから飛んだ。

そう、
歩けるところまで
歩いて
飛んじゃえばいいんだと

冷たい床を
歩く指。


自由詩Copyright asagohan 2021-11-14 21:08:41
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