ソロちんぽ
花形新次

ジムニーに乗って
都心から二時間程度で行ける
山に行って
良い場所を選んだら
DMM.comで
お気に入りの動画を見ながら
テントを張って
ファイヤースティックを擦ると
白い火花が散る

それをお下げの女子高生が見ている
ピクリとも動かず
ただただじっと凝視している
ファイヤースティックを握った俺と
目が合ったまま
どちらも逸らさない
女子高生のシャツは
汗でびしょ濡れなのが
ここからでも分かる

ヒグラシが鳴いている
川のせせらぎも聴こえる

時間は止まったままだ

女子高生の視線を感じながらも
ティッシュで火花の処理をして
ファイヤースティックを片付けると
何ごともなかったように
ジムニーを動かした
女子高生がはっと我に返って
スマホを取り出して
何処かに連絡しようとしたときには
僕はもうだいぶ先まで行ってしまっている

今日のソロちんぽも成功だ






自由詩 ソロちんぽ Copyright 花形新次 2021-11-14 03:23:48
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