生誕
ひだかたけし

切通しを歩いていった
母と二人で

縁切り寺もあった
夢の鎌倉で

屋台では
地球駒が不思議な同心円を描き廻っていた

眠り駒……

わたしはその時、
じぶんが自分であることに気付いた

沸き起こるような刹那を持続させ
わたしは私として生誕していた








自由詩 生誕 Copyright ひだかたけし 2021-11-09 22:12:41
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