野良猫
印あかり

(まさに、手を替え品を替え
といったところか
いろいろな声で鳴くんやなぁ)

飯食いながら、
網戸に両手で張りつくそいつを見ていた


「このっ、かわいくない
一ヶ月も餌あげとるのにシャー言いよる
今ある餌終わったら二度と買ってこぉへん」

オカンがぶち切れながら部屋に入ってきた
ちょっと前まで、
おいでおいでチッチッチッ
なんて言いながら餌あげてたんになぁ


オカンは餌買ってこぉへんくなった
でも、
夕食のあと窓開けて
魚とか肉の骨をポイッとくれてやるんよな


鬱陶しくて腹が立って仕方ない
まるきり放り出すには忍びない


アタシのこともそうやったんやね


自由詩 野良猫 Copyright 印あかり 2021-10-24 18:48:46
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