サンフラワー
本田憲嵩
サングラスを掛けない
たとえ澄んだ秋の日だろうと
わたしはいつまでも空を見上げている
わたしはいつでも季節はずれの向日葵でありたい
水色のまばゆい夏空から網膜へと
白い太陽のように降りそそいでくる
いつも同じ貌 いつも同じ微笑
その清楚さにいつまでも失明していたい
麦わら帽子 白いレースのワンピース そして黒髪
三分四十六秒ほどの歌声の通り雨には
ミクロな球状の水晶体群に
砂金のような鈴を手にした
無数の白い天使たちのすがたが映り込む
映り込む
機能、停止している、
フラワーロックのように、
しかしサングラスは掛けない