居場所のないうた
梅昆布茶

居場所のないことにすっかり慣れてしまった
居場所があったのはたんに周りが優しかっただけ

革命の年にテントとシュラフを積んで
やさしい風景を捜しに行った訳なのです
いまも漂泊中の修羅猫みたいにこのありさま

家でも連休の1日は家にいないでくれって
微妙なだけにハラスメントっぽいでしょ

想像しない蛙は蛙にすぎない
純真な兎はどこにでもいるものです
不都合な蛙と屏風絵のなかで戯れていたり

健やかな夢想はいつのまにか
塗り潰されてしまうのでしょう

白い鳩は焼いて食べると美味しいらしい
赤い犬も美味しいとは仄聞の隣国のこと

誰も理解していない宇宙に
誰も誤読していないのに存在すること

言語は歴史的一瞬に定位したのかもしれない
サピエンスが想像力の幼翅を広げてゆく黎明のある契機に

天職は星の瞬く時間の孤独の配達人であるのだろうと
生きる手法が違うだけで人はすれ違ってしまうのでしょうか





















自由詩 居場所のないうた Copyright 梅昆布茶 2021-10-15 04:06:54
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