居場所のないうた
梅昆布茶
居場所のないことにすっかり慣れてしまった
居場所があったのはたんに周りが優しかっただけ
革命の年にテントとシュラフを積んで
やさしい風景を捜しに行った訳なのです
いまも漂泊中の修羅猫みたいにこのありさま
家でも連休の1日は家にいないでくれって
微妙なだけにハラスメントっぽいでしょ
想像しない蛙は蛙にすぎない
純真な兎はどこにでもいるものです
不都合な蛙と屏風絵のなかで戯れていたり
健やかな夢想はいつのまにか
塗り潰されてしまうのでしょう
白い鳩は焼いて食べると美味しいらしい
赤い犬も美味しいとは仄聞の隣国のこと
誰も理解していない宇宙に
誰も誤読していないのに存在すること
言語は歴史的一瞬に定位したのかもしれない
サピエンスが想像力の幼翅を広げてゆく黎明のある契機に
天職は星の瞬く時間の孤独の配達人であるのだろうと
生きる手法が違うだけで人はすれ違ってしまうのでしょうか