怒りの劫火で
平瀬たかのり
陽キャ、だと
陰キャ、だと
これほどまで人間を嘗めた言葉が
かつてあったか
これほどまで父母を愚弄した言葉が
かつてあったか
これほどまで青春を否定した言葉が
かつてあったか
答えてみろ
なにをもって胸を張らせ
なにをもって俯かせようとしているのか
その言葉を
目にしたなら、耳にしたなら
穏やかな陽光降り注ぎつづける
凪いだおまえの詩の海を
ひとときに
波濤荒れ狂う
嵐の海に変えてしまえ
痰壺に変えてしまえ
肥溜めに変えてしまえ
吐瀉物あふれる便器に変えてしまえ
ヘドロまみれの排水溝に変えてしまえ
そして口にするのもおぞましい
その言葉をぶち込んで
怒りの劫火で燃やし尽くしてしまえ
怒りの劫火で燃やし尽くしてしまえ