われわれ
いる

ばらばらと歩いていると

ばらばら
というこの擬態語は
この場合使えるのかどうか
複数ではなかったが
(そのつもりだったが)
個人的にある程度ばらばらと
歩いているつもりだったが

歩けるだけで強者だ
そう言われれば
確かにその通りであって
じゃあやめようかな
何を
と言われると
あの
あれが見えてしまうのだけれども

人様に聞かせるまでもない
つまらない物語をほどほどに持っている
死んでも死ななくても
投資として元本は割っていると思う
(んで 投資したのはお前じゃねえだろと)

個体をもつことの僥倖と災禍が
等しく降りそそぐこの青い空の下で

そこで
われわれ ですよ
環はその綻びにおいて繋がっていくのだ
とは言えど
ぽんこつが集まってもそれは
ぽんこつの集まりなんだが

私の中のたくさんのぽんこつ
ぽんこつの中のたくさんの私

その袋の中身は何だ
と言われて
逆さにしてぶちまけて見せたが
こんなので
全部なわけないじゃん

「言葉を覚えてしまったので何か
言わなければいけない気がしてしまうのです
以上です」

どういう設定の管理社会だったっけ

さて 休んだら
ばらばらとまた行こう
ばらばらのままでいい
なんだったら 杖や
車椅子使ってもいい
検問で捕まったら
みんな
私のせいにしてくれていいから


自由詩 われわれ Copyright いる 2021-10-10 22:35:31
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