鬱と青
ひだかたけし
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心
青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で
世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く
ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その偶さかの触れ合いが
何とも親密に心地好い
[おまえの業はおまえの業
独り背負い行ける処まで生け]
心の声がそう囁き
気付けば
俺の六畳間は、
金木犀の香でいっぱいだ。
自由詩
鬱と青
Copyright
ひだかたけし
2021-10-03 13:44:46
縦