十七歳に書いた歌詞
板谷みきょう
『らんらんらん』
巷は裸の写真で満ち溢れ
写真の女は媚びを売る
世の男共をヤル気にさせて
揚げ句の果てにはSM雑誌
映画館でもぼかしだらけの桃色映画
映画や写真に飽きた者
生の裸を観に行き
特出し 白黒 ナマ板 天狗ショー
男も女も昼間っから
眼を輝かせ らんらんらん
陰では男娼 娼婦が蘇り
高い金取り体を売る
出来た女は軽い気持ちで子を堕ろし
堕ろせぬ女は子を捨てる
弱い男も新型オモチャで責めまくり
四十八手に飽きた者
所構わず品を替え
トイレ 海岸 公園 バスルーム
欲求不満のヤレぬ者
眼を輝かせ らんらんらん
らんらんらん らんらんらん
らんらんらん
*★*――――*★*
『俺達の世界』
春は菜の花畑 紋白蝶が舞い
夏には暑い日差しの中
天気雨に蝉が鳴き
秋に風は木の葉を奪い
冬は綿毛を天から降らす
季節は巡る 変わらず巡る
その中で俺達は
当たり前の顔をして
一人で生きる振りをする
俺達の世界は 俺達に都合良く
目の見えない 手足のきかない
耳の聞こえない者にとっては
とても住みにくい
生きづらい世界なのに
俺達は知らん顔して
生活を続ける
*★*――――*★*
『聞く耳のある者へ』
帰ろうと思った時には縛られて
身動き出来ない宙ぶらりん
暗夜のともしび待ったところで
行き着く果ては闇の果て
苦しみこらえて笑い顔
涙がポロリン泣き笑い
指をさされて嘲り笑い
飛んで来るのは石つぶて
必ず来てくれると思いつつ
息をふさがれ口封じ
鬼の念仏待ったところで
返ってくるのはそしり言
悲しみこらえて笑い顔
涙がポロリン笑い泣き
指をさされてさらし者
やって来るのは鬼ばかり
それが世の習いだから当たり前なのか
それが世の常だから常識事なのか
帰ろうと思った時には縛られて
身動き出来ない宙ぶらりん
必ず来てくれると思いつつ
息をふさがれ口封じ
しまいに息を止められて
泣く事も出来ずに死んで逝く
それが世の掟だから
日常茶飯事なんだ
それが世の習いだから当たり前なのか
それが世の常だから常識事なのか
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