十五歳の呟き
板谷みきょう

黄金色した木の葉が欲しい僕は
風に頼んでまだ離れたがらない葉を
無理やり取ってもらうんです


暖かなお日様の光をいっぱいに浴びて
草原に無造作に寝転んだ僕の下の草は死んだ


風の知らせを聞いた木が呻いていた
一羽のカラスが死んだって
助けを求めて伸ばした手
無造作に折った


いいかげんな僕は
鉄で出来てる罪の扉を
面白半分に力一杯 蹴飛ばした
すると罪の扉は二度と閉まらなくなってしまった


かわいそうかわいそうかわいそうかわいそう
かわいそうかわいそうかわいそうかわいそう
いつも僕は何編も自分の心を慰めるのです


窓の外の景色は何もかもが絵
ざわめく木の葉も流れ行く雲も
みんな絵だ
そして僕は窓の外の本当の景色を知らない


三羽の鳩が空を飛んでいた
いつの間にか
三羽の鳩は空に溶けて
ひとつの雲のかたまりになった


空にひとつしかない
白い雲が流れて行く
じっと見てたら
カラスが雲をパクパク食べてしまった

じっと目をつぶって
回りの音に酔いしれるのにも飽き
目をぱっと開けるとすぐそこに空があった
青空に手を入れた


子供達がシャボン玉を作って遊んでいた
僕は駆けて行ってシャボンを全部割った


妙にけだるい口は何も喋りたがらない
こんな時無理して喋ると誰かの心に傷がつく


雨上がりの散歩
半分に欠けた月の
もう一方を水たまりに見つけた
僕は月を足で踏みつぶした


空から日の光がいっぱい降ってくる
光を浴びて喜ぶ者には
自分のうしろが日に当たってないのが解らない


色褪せたコスモスの白とピンクが印象的でした
空の涙が雨になって心をすっぽり包む
嘘つきの口が言いました
「さびしいな。」
色褪せたコスモスの白とピンクが印象的でした


あきらめろあきらめろいつも思っているのに
どうしてもあきらめられない
きれいに笑って
あきらめろあきらめろって


丼に満ち溢れている苦い不幸せを
一息に飲み干すと笑顔にもどった


わすれたくない僕は帰りたくて
いつもポケットに
過去行きの切符を忍ばせている


波は遥か水平線の彼方から
大地に向かってやって来て
陸地に当たるとはかなく消える


えんぴつの様な優しさを
僕にください


自由詩 十五歳の呟き Copyright 板谷みきょう 2021-09-25 09:23:04
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