海を見ながら
静
夜虫の声に涼しさを感じながら
宵闇の日本海に車を走らす
水平線が朱に交わりながら
宙は名月の忠節を保っている
寂れた街に生きてきて
定めに逆らおうと声をあげた
そんな時は何時しか終わり
虫の音が闇を埋め尽くしている
月が円運動を刻み続けるのと
同じ諦めを胸に覚えて
運命を越えるべく抗った過去を
丁寧に海に洗い流していく
新しい眺めが広がることを祈っている
自由詩
海を見ながら
Copyright
静
2021-09-23 20:58:39