スーパーで１１円の麩菓子を
一つだけ買って
ポケットに入れたおいたレジ袋に
製氷機の氷をもらって帰る
スーパーの駐車場の車に乗り込んで
マスクを外して
車の窓を開けたら
雨が降りだした
そしたら土の匂いがした
夏の終わりの雨が心地いい
そんな感慨をのみこんで
車をスタートさせる
わざと遠回りをして
気楽な裏通りを通って帰路につく
インスタントのアイスコーヒーを作って
スーパーでもらってきた氷を入れて
それを飲みながら
一度見た映画の続きを見る
女性ＦＢＩ捜査官の話だ
力の抜けた気楽な時間
「スターバックス行くの？」
アメリカ映画らしい
台詞が飛び出して
なんだか親近感を覚えた
せわしなく電子タバコの吸引器から
ニコチンを吸い込みながら
パソコンのキーを片手で打つ
そんな風にして
一篇の詩が出来上がる
窓の外を見ると
もう夕刻になっていた
また水風呂にでも浸かって
夢想しよう