静かに潜航する
ジム・プリマス

やみくもに生を渇望し
容易く壊れてしまう
望みを重ねて
今日を凌ぐ
イザベラ、君は今、
何をして、何を想っている
遥かな首都ソフィアと
猥雑な地方都市、新居浜に
隔てられているけど
電子タバコの吸引器をくわえて
ニコチンを吸い込む
思い出したように
溜息ばかりが出る
秋の朝
独り言を言っても
答える相手もいない
一人の煤けた部屋で
夢想する未来は朧気で
確かな手ごたえを感じさせない
六番目のシナプスは繋がらず
沈黙したままだ
コロナ禍の水面下を
静かに潜航する


自由詩 静かに潜航する Copyright ジム・プリマス 2021-09-08 13:55:59
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