夕暮れに躓く
石田とわ





    夏の夕暮れに躓いた
    石ころがあったわけじゃない
    何もないからこそ躓いた
    すぐに起き上がったが
    膝を痛めた
    夕焼けが眩しかったのだ
    夏の匂いが躓かせたのだ
    痛さに顔をしかめ
    うずくまっていたかった

    夏の夕暮れに躓いた
    あれから何年経つのだろう
    今も痛めた膝が疼く







自由詩 夕暮れに躓く Copyright 石田とわ 2021-08-21 00:40:10
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