からさわぐ煙
凪目
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音楽
沸騰
煮えたぎる鍋の底に、消灯した骨がある
ひとつの空洞を区切る、暗い灯りは茹だり
もうなんでもない
なんでもない空洞が踊る
分子は、踊りを吸ってのぼる
どこまでものぼる
踊り
のぼり
身じろぎをして
夜になる
自由詩
からさわぐ煙
Copyright
凪目
2021-08-15 01:06:24