エアコンの熱風とコンビニの明かり
藤原絵理子
都会の蝉は真夜中にも鳴く
故郷の山は静まりかえっている
耳の奥で通奏低音
ただでさえ寝苦しいのに
あまり暑いと鬱になる
生きていけるのか なんて思う
そして やっぱり生きていたいと思っていることに
慄然とする
昔の優しい母親は
しようがないわねえ の一言で
曖昧にすべてを赦してしまった
太古の神が地下に封印した
パンドラの箱を開けたのは
ほんとうに仕方なかったのか?
自由詩
エアコンの熱風とコンビニの明かり
Copyright
藤原絵理子
2021-08-11 22:11:45