迷子
やまうちあつし

迷子になった
仕方がないので
方方に尋ねて回った
情報を聞き出すために
働いたり学んだり
そうこうするうち
仲間ができて
家族ができて
老人になっていた
そろそろいいだろう、と
一族郎党を集めて尋ねる
「わたしのうちはどこだろう」
家族らは顔を見合わせて言う
「おじいちゃん、ぼけちゃった」


自由詩 迷子 Copyright やまうちあつし 2021-08-06 11:47:43
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