シャッターチャンス
ゆるこ

緩やかな線をなぞる
夏の緑は柔らかく
重い湿気を帯びた風はどうしたって
髪の毛に重くまとわりついてくる

懐かしい、
日焼けした屋根の淡い色々と
建物の隙間から日焼けしたセーラー服が覗いては消え、
水面から反射するきらきらとした光が
目に飛び込んで、周りを静かにする

私の夏
あなたの夏
それが絡み合い、
恋人繋ぎのようにささやかに
通じ合って、とろけては
鬼灯のようにぼとりと落ちてゆく

私の爽やか、それは目を瞑り
じわりじわりと肌を焼く、その太陽の中に
あの日時を止めた日々が色付いては
私の背中を
やさしくなぞる




自由詩 シャッターチャンス Copyright ゆるこ 2021-08-04 06:25:03
notebook Home 戻る  過去 未来