さめたコーヒーのうた
梅昆布茶
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく
いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼくには命があるようだ
果てしなく応用だけをもとめられる大洋に
骨組のない粗末な双胴船を操り銀の魚を釣る
惑星の酒場には非番の衛星たちが足繁くたちより
彗星の種子やら燦めく詩篇のかけらなどを交換しあうのだ
かつて宇宙に浮遊していた現象の端くれが
訪れる夕まぐれにふと郷愁をおぼえるあてもなく
影のうすくなった実存におもいをはせては
ちょっとだけぬるいコーヒーを飲めると言うのは
すてきなことなのかもしれない