水玉の夏
墨晶

最近、夜中散歩するんだ

・・良いね

夏の夜道を歩くとなあ
大概、犬猫が後ろからついて来る

・・そうなのか?

いや、ごめん、猫犬だったかな

・・はっきり云って、オレはどっちでも良いぞ

いや、そう云う問題じゃない!

・・少し大袈裟じゃないか?

ちょっと黙ってろ、思い出すからっ!
えーと、どっちだったかなー、うーん

・・あのさ

・・え?

オレ、のど乾いちゃった

・・このタイミングでか?

・・オレも云うべきか迷ったんだよ

そこは云わない方向性を推すがね

だが云っちゃうのがオレなんだよ

そうだった、キミはそう云うヤツだった!

そんなワケで、飲み物買いに行ってきます

なるほど、それじゃボクはキミが帰ってくるまでに思い出すぞ

・・・・・・がんばれよ

ウッス!


ただいま、キミの分も買ってきた

おー、サンクスセックスシックスナイン

ホットコーラな

よりによって良くあったなそんなもの。しかもこの季節に

「この世は不確実性に満ちている」ってキミが云ったんじゃなかったっけ

なに云ってるんだ、ボクは「成功の蓋然性を追究し生きることがあらゆる生産力の発展を妨げているのではないか」って云っただけだよ

・・・・あー・・はいはい。ところで思い出した?

・・・・その問題か

・・・・結論は?

・・・・良く考えたらあれは

・・はい、

・・・・猫猫でした

・・・・オレ、カルピスソーダ飲もーっと

あのなあ、

あ、ごめん、十五分くらい話しかけないでくれないかな

・・・・敢えて云うが、キミさ、「オレオレ」云ってるけど女なんだからね

あ、ごめん、三十分くらい話しかけないでくれないかな

・・・・

・・・・キミだって女だろ!

・・・・ 
 
 


散文(批評随筆小説等) 水玉の夏 Copyright 墨晶 2021-07-26 00:28:34
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