蛍
梅昆布茶
いのちをつなぐものを希望と名づけよう
希望のべつの名を祈りと名づけよう
祈りは清流にすまう虫のごとくに
こころの闇に明滅し続けるのもの
祈りの幼虫が水中にカワニナをくらう
肉食の異形のすがたであろうとも
真夜中のベランダの煙草火にも似て
天球の高みにのぼってゆく想いの粒子に
仮託された願いを明滅させる
蛍であろうかとさえおもうのだ
自由詩
蛍
Copyright
梅昆布茶
2021-07-25 23:21:39