SEASON
ミナト 螢
陽が残る夜は
ただ照らされて
その気になるだけだ
世界と同じように
泣いて笑って
影の形をぼんやりと
なぞる風は
どこから吹くのかな
いつもひとりで
ふたりぶんの
景色を用意している
遠く離れた心で呼んだ
君と僕の物語に
栞を挟むみたいな
線香花火は
何度目の夏も
砂埃の中で目を擦る
自由詩
SEASON
Copyright
ミナト 螢
2021-07-16 19:25:13